Sunday, December 22, 2024 08:07

Archive for the ‘レコーディング’ Category

レコーディングセミナのメモ(その4)

土曜日, 12月 20th, 2008

。。。ちょっと間が空いてしまいましたが、まだネタが残っていますので続けます。今回は、トップのマイクのお話。CLOUD9さんでは、RODEのNT5という2本でセットの超高性能コンデンサマイクをお借りすることができます。とてもクリアで良い音が録れるこのマイク、稲田先生はこのようにマイキングされました。

081207Recセミナ_4.jpg

 私はこれまで、本や雑誌でセッティングされているのを見た記憶を頼りに、2本のマイクの間を離して真下に設置していましたが、今回は2本のマイクを交差するように、しかも外向きです。
 ドラム全体を録る目的で立てたトップのマイク2本を、MIXの際にパンでLRに振る場合、そのマイクの離れた間隔が聞く人の”頭の大きさ”になる、という説明です。おもいっきりドラムをLRに広げて音像を埋めたいのならば、この写真のように自分の頭の大きさに合わせて、マイクを外側に向ける。私がこれまでやっていたように、2本のマイクを離してしまうということは、音像的には自分の頭と同じ大きさのドラムセットがたたかれている様子を聞くような感じになる、すなわち、中央でまとまった形の音になるということです。後から、左右にいろんな音を貼り付けるつもりならばあまりドラム音を広げない方が良いかも知れませんね。でも、あの左右に広がるマイキング、次回試してみようかなっと。
つづく

レコーディングセミナのメモ(その3)

土曜日, 12月 13th, 2008

お次はスネアです。

081207Recセミナ_3.jpg

スネアは本当は、真上からど真ん中を狙って録るのが音としては一番なのですが、それじゃ演奏の邪魔になります。そこで、私はいつもななめから中央に向かってマイクを向けていましたが、プロは端から結構角度をつけて狙っています。何故かというと、マイクには音の波を受ける方向があり、スネアの出す音の波の方向に合わせると良く録れるからだそうです。理にかなっていますね。皮の音ではなく、リムショットを録るならば斜めということになるのでしょうか。ということは、私が斜めから中央を狙う、というのは意味がなかったのですな。勉強になりました。
つづく

レコーディングセミナのメモ(その2)

金曜日, 12月 12th, 2008

次はハイハットのセッティングです。

081207Recセミナ_2.jpg

今回は、SUREのSM57で上から中心近くに向けて狙っています。楽器のどこでどういう音が鳴っているのかを理解し、録りたい音の方向にマイクは向けます。さて、ハイハットはいったいどこが鳴っているのでしょうか?金属板は外側の方が大きな音なのでしょうが、たぶんここはスティックと金属の当たる音や、上下のハイハットの合わさったり離れたりするところも加味してのポイントなのでしょう(と勝手に理解)。
ところで、ハイハットのこういう位置にマイクを置くと、まぁ間違いなくスネアの音がかなりかぶります。ドラムレコーディングでは、楽器間で完全なセパレート録りは不可能なのですが、ここはプレイヤーが演奏しやすい位置にして録音はある程度我慢するか、エンジニア側の録りたい音のこだわりのためにプレイヤーには演奏しにくいセッティングでたたいてもらうか、プロの世界でも考えちゃうところだそうです。
コツを一つ。ハイハットのマイクは直角にしない方が良いとのこと。なぜならば、ハイハットのオープン→クローズ(逆も同じですが)をすると、ドップラー効果で音程が動いちゃうらしいです。へーへー。。。(略)
SM57ネタとしては、ロックの人は全てのパーツをこのSM57で録ってしまうという場合が多いらしいです。ワイルドに録れるのでしょう!何となく想像できます。
つづく

レコーディングセミナのメモ(その1)

木曜日, 12月 11th, 2008

 12月の最初の日曜日は、近所のスタジオCLOUD9さんにて「ドラムレコーディングセミナ」なるものがあり、参加してまいりました。講師はプロでご活躍の稲田範紀さん!スタジオで借りることの出来るマイクをはじめとした機材だけで実演してくれました。また、私の知らないお話をたくさんしていただき、書き留めたメモは手帳7ページ分!というわけで、小出しにこの日聞いた話をかいつまんで記録しておきたいと思います。

081207Recセミナ_1.jpg

これはTAMのマイクセッティング。マイクはゼンハイザーMD421のくじら君です。セッティングのことよりも何よりも、このマイクの下は回るようになっており、それはフィルタの設定だということを私は初めて知りました。もう知らぬは一時の恥知らずメ状態です。この前これ使ったけど、そんな設定気にしていなかったぁぁぁ。。。orz。とにかく楽器を録る場合は(M)に設定、ですか。
ここで教わったのは、マイクには集音方向があるので留意すること、です。一般的にはメーカー名が書いてある方が前とのことです。TVやMusic Videoなどでテレビカメラ側(客席側)にマイクの名前が出ている場合がありますが、あれは見た目優先でやっているもので、実際にあの方向に置くとボーカルの録音はできません。へーへーへー(略)。。
さらに、マイクの先端のあみあみやスジなどは、そのマイクの指向性を定めるためのデザインだそうです。だから、セッティング時にマイクのあみあみやスジにマイクスタンドや何かがかぶるようなことをすると、とたんにマイクの指向がなくなるとのこと。よくボーカルマイクであみあみを手で覆ってハウリング起こしているカラオケボーカリストいますが、そういうことなんですね(^o^)
つづく

第三回ドラムレコーディング その4

土曜日, 11月 29th, 2008

 今回は、ドラム奏者のモニター環境について書きます。
 クリックやみんなの演奏と合わせるわけですから、モニターは非常に重要です。他のパートや自分の音が良く聞こえなかったりすると、ベストな演奏ができません。
 ものの本には、演奏者の手元で本人がボリューム調整できるようにするべきだ、と書いてありましたので実践しています。モニタ用のミキサーを持参し、ドラム奏者の真横にこのような感じで設置しました。

081123_DR_MON.jpg


 これ以外に、録音成果を二人で確認するためにスタジオのアンプにもD3200のモニターアウトを接続しています。録音するときはD3200側のモニター出力をミュートです。私はというと、iPODで使っているイヤフォンを使用。なぜならば、ヘッドフォン2つも持ってないからです。でも、特に不便はありませんよ。
つづく

第三回ドラムレコーディング その3

金曜日, 11月 28th, 2008

 つぎに、スネア録りです。スネアは、表と裏にそれぞれマイクを当てる、というのが定石になっているようで、先日購入したSURE SM57の添付マニュアルにもそうするように書いてありました(英語で)。

  てなわけで、私も実践してみましたぜ。表はスタジオのレコーディングマイクレンタルセットに3本も入っているゼンハイザー社のMD421MK2を、裏は持ち込みのSM57を、それぞれ同じ角度になるようにセッティング~!

081123_DR_MIC_SD2.jpg

 録音したものを聴いてみましょう。最初は表面のみ、次に裏面のみ、最後に両方のMIXが継ぎ目なく流れます。

#us_sd1.mp3

 裏はスナッピーをしっかり拾っています。MIXの音は、あーこれこそその昔レコードで聴いたスネアの音です!次からはもうスネアのヒラメ貼り?外せませんね。
 ところで、こういうセッティングにする場合は、位相を気にしなければなりません。音は波ですから、プラスとマイナスがぶつかると打ち消し合っちゃいます。D3200では、EQのページに位相設定のタグがあるのでそこでスネア裏面マイクの位相を逆(Reverse)にするだす。

081123_DR_SDNR.jpg

4トラック目がスネアの裏面です。
 ついでに、この位相を合わせないとどういうことになるか?試してみました。前半が位相をあわせていないパターン、後半が位相を合わせたパターンです。

#us_sd2.mp3

 位相を合わせないと、なんか芯がない音になったの、わかりましたか?
つづく

第三回ドラムレコーディング その2

木曜日, 11月 27th, 2008

 これまでドラムはBD×1、SD×1、オーバートップ×2の計4本でしたが、今回はBD×2、SD×2、オーバートップ×2の計6本でチャレンジです。今日はそのなかのバスドラ部分の紹介をします。
 バスドラはこれまでオーディオテクニカ社のATM25をバスドラの穴に無造作に突っ込んでいましたが、今回はバスドラの外の皮の音も追加してみよう、ということで、これまでスタジオのレコーディングマイクレンタルセットに含まれていたのに使っていなかったゼンハイザー社のMD421MK2をバスドラの外の皮に10cmほど空けてつけてみました。

081123_DR_MIC_BD.jpg

 さすがに外のマイクのほうは、ハイハットの音を拾っちゃいますがそんなのかんけ~ね(略)。。。
早速音を聞いてみましょう!最初はバスドラの穴の中の音のみ、次に新たに付けた外の皮の音のみ、最後に両方をMIXした音です。

#us_bd1.mp3

 。。。あまり皮の音があってもなくても変わらないような気もしますが、あとからEQ/COMPで音を作ると印象が違います。いい感じで太~くなりますよ。その音は作品の完成でお披露目ということで。
つづく
 

第三回ドラムレコーディング その1

水曜日, 11月 26th, 2008

 どんどん作品作りは進みます。この日は、またドラム録りです。ドラム奏者と私の二人でスタジオに入りました。今回録るのは3曲の予定でしたが、時間切れで結局2曲となりました。
 新しい試みとして、マイク6本でのドラム録りに挑戦です。

081123_DR_MIC1.jpg

今回のドラムマイクセッティング全景。

081123_DR_MIC2.jpg

D3200にはマイクケーブルが6本とモニターアウト2系統。スタジオは大友克洋さんの劇画に出てきそうなほどケーブルだらけ。
つづく

「OVERWORK」MIXリベンジ!その2

月曜日, 11月 24th, 2008

 何度も書いたかも知れませんが、今回のレコーディングでは、ドラムやベースは1曲まるまる演奏しているわけではありません。スタジオの借用時間、プレイヤーの集中力などなど、時間に制約があるため、なるべくコピペで済む部分は録音しない方針で進めています。
 で、最初に編集した表題の曲ですが、私もドラムパターンのコピペがまだ慣れていないということもあり、たくさん失敗をしています。つなぎ目がまずくて「パチン」というノイズが入ったり、何故かシンバルが入る場所が1小節づれていたり(これはフェイクなんだと心に言い聞かせて残しましたが。。。駄目ですね)。。。まぁいろいろありましたので、ドラムトラックは一から編集しなおしました。
 録音時には必ず前後に音の入っていないのりしろを作るのですが、そののりしろはカットしないで前後のパートに重ねておくと、とても自然に音がつながります。どうもノイズが増幅されるからってカットしてはなんか空気間が切れる感じがします。

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 どうしてものりしろのないところ同士でくっつけなければならない場合も出てきます。そういうときは、なるべく前後のパターンでリズムが揺らいでところ、シンバル等のリリースが長いものが入っていないところを選びます。さらに、カットする位置は波形を確認した上で、音の立ち上がりの前や完全に音が切れた
位置を選びます。今回の場合、ドラムは4トラック使っていますが、それぞれのトラックでカット部分はゼロポイントを指定するべきでしょう。たとえステレオトラックであってもです。LとRで波形は違い、波の立ち上がりも違う場合があります。変な波形の位置で音をカットすると、「パチン」ノイズが入るだすよ。

081123_D32DR2.jpg

とにかく波形のカットは慎重に。

 こうやってのりしろも含めてドラムトラックを切り貼りして並べていくと、トラック数がたくさんないと困りますね。今回は24トラックも使いました。たくさんトラックあって助かったー(^^)
 ドラムトラックスを並べた後は、2トラックづつマスタートラックにまとめ、マスタートラックのデータを編集トラックにswapすればドラムトラックのクソ面倒くさい編集作業は終了です。
 その先は、これまでに培ったEQとCOMPのノウハウで、作品を仕上げなおしました。以下完成品です。お聴きください。
http://musictrack.jp/musics/6594
つづく

「OVERWORK」のMIXリベンジ!その1

水曜日, 11月 19th, 2008

もう、リベンジ版はアップしちゃいましたが、記録としては残しておこうと思います。
そう、メンバーそろってお気に入りの「OVERWORK」でしたが、前にもお伝えした通り機材側の問題により、44khzモードで録音したギターパートを48khzモードにコンバートした際に尺がずれてしまい、どうもしっくりこないMIXになってしまったのです。機材側の問題については、KORGさんにお伝えしたところ、ロジック的にあり得る現象だそうで(つまり、仕様ということ)、回避策としては、もう一台MTRあるんだから、44khzのギターデータはD1600でアナログ信号にしてから、D3200で48khz録音しなおしなさい、ということでした。なるほど!でも面倒くさいな。しか~し、手間を惜しんでいてはいい作品は残せない!ということでやってみることにしました。

 

まずは、D3200で44khzで録音されたアズミーのギターパートデータを、D1600に移行します。これは、D3200側でCD-RWに該当トラックをWAVファイルに落とし、D1600で読み込む方法をとりました。結構簡単に移行できますね^^
次に、D1600とD3200を同期させなければなりません。D1600側のマニュアルを読むと、片方をMMCマスタでMMCモードはTransmit、もう片方をMMCスレーブでMMCモードをReceive、MIDIケーブルはマスタ→スレーブに一本引く、と書いてあるので試してみたところ、なんとD3200側がどうやっても、MMCマスタ & MMCモード Receive または MMCスレーブ & MMCモードTransmitの組み合わせにしか設定できないのです。がーん。
で、D3200側のマニュアルを見ると、こちらにはMIDIケーブルを相互に接続し、MMCマスタ & MMCモード ReceiveとMMCスレーブ & MMCモードTransmitにそれぞれ設定する、と書かれているではありませんか。D1600側はこの設定も可能だったので、これをためしてみました。
D3200側設定
081119_D32MMC.jpg
D1600側設定
081119_D16MTC1.jpg 081119_D16MTC1.jpg
両方が接続されている、の図
081119_MID3.jpg
MIDIケーブルは2本。その昔、MIDI機材を積み上げてTM Networkのコピーバンドやっていなかったら、きっといまここにはMIDIケーブルなんか2本もなかったかもなー(^^)
081119_MID1.jpg 081119_MID2.jpg
同期、やってみました。D3200の小節数を動かすと、それに併せてD1600の小節数も動く!面白いです。D3200の再生ボタンを押すと、2小節くらいはふにゃふにゃしますがそれ以降はかっちりD1600側も再生が始まります!
準備ができたので、2トラックづつ取り込みを開始。途中の小節からでも録音できるので、作業はスムーズにストレスなく行うことができました。よしよし。
さて次は、ドラムトラックの見直しです。
つづく